【転載】自分のお給料を作るということ

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この記事は、2016年6月8日に旧サイトで書いた記事を転載しました。


先日のGOBOの会のパネルディスカッションで、お蔵入りになった質問がある。それは「(今の仕事で)何が一番大変でしたか?」という問いで、これは自分の中で明確な答えがある。「自分のお給料を作る」のが一番大変だよ!!超超超大変!!だからまた長いやつ書いた。こんなこと書いていいのかー?(気にしてない)

1.自分のお給料を作るとはどういうことか

自分が経営改善みたいな仕事がしたい人だとする。改善を求めている企業で、人一人分のお給料が丸々余っているからウェルカム!なんてところは滅多にない。そういうところはそもそも経営的にうまくいってるし、求人すれば人は来るし、コンサルに頼んでもいい。問題は、将来的なポテンシャルや社会的な存在価値がありそうだけど、現時点でほとんど予算がない、そんな事業をどうやって救済するかだ。阿部梨園はまさにそんなところだった。つまり、僕がそこに関わるためには、自分1人分のお給料(以上の売上げ)を自分で作らなくちゃいけないってことになる。逆に言えば、自分1人分のお給料(以上の売上げ)を作れる自信があれば、どんな仕事でもできるっていうのがこの記事で書きたかったこと。必ず利益が出る話なら、それを断る社長は少ない。ちなみに売上だけに頼らなくても、経費削減もできるなら合わせて1人分になればオケー。

2.梨を売って自分のお給料を作るということ

梨屋だから、梨を売ってお給料を作ることになる。例え話で、送料込で1箱4,000円(5kg)の贈答品を売るとする。消費者の感覚からすると高級商品(10玉なら、1玉400円)。これを1箱売れば1,000円出る利益を僕が自分のお給料にしていいと仮定して(*1)、100万円の利益を捻出するためには1,000箱(!)売らないといけない。売上で言えば400万円(!)。1人1箱ずつなら1,000人が買ってくれれば僕は100万円を手にできる。100万円では一家3人生きいけないので、200万円が必要なら2,000箱。300万円なら3,000箱。これをどうやって達成するかはここに書き切れないけど、とにかく大変な数字だと思いませんか。僕は全知恵を総動員して、親戚や知人に宣伝しまくって応援してもらって、経費削減も蓮舫さんよろしく頑張って、なんとか初年度生き延びた。それでも今年うまくいく保証はない。ちなみに、サービス業みたいな原価のかかりにくいビジネスならもう少し望みのある数字になる。

(*1) 利益が1箱1,000円だと利益率25%なので、高いつもりで設定した。経営うまく行っていないところほどゼロに近いかマイナスだと思う。原価の考え方も色々あるけどここでは割愛。

3.お給料を作りながら思うこと

1年目を乗り切れば希望が見える

以上のようなハードモードを何とか攻略すると、1年目の実績を元に、2年目の給与交渉ができるようになる。また、上長の理解があれば、仕事を好きに任せてもらえる。それと、ハードモードなだけに、同じような働き方をする人が少ないので、稀少性の高い仕事人として注目してもらえたりする(先行者がいる場合を除く)。

お給料以外の自分に給付するコストが重い

社会保険、退職金、ボーナス、各種手当、有休とか(全部導入したわけではなく、今後導入したいものも含めて)、全て自分の利益なんだけど、その分もっと梨を売らないといけないという点で荷が重い。支払う側の感覚と受け取る側の感覚を、事あるごとに切り替えるのもなかなか難しい。

お給料の多寡==仕事の価値ではない

10億円のビジネスを1%改善すれば、それだけで1,000万円出てきて一家を十分まかなえる。大企業の給与が高いのはそういうわけだ。商社や金融のように、扱う金額が大きければ大きいほど顕著になる。一方、100万円のビジネスを10%改善しても、10万円しか出てこない。額面で見れば成果はそれこそ桁違い。このビッグビジネスの1%とスモールビジネスの1%はどれほど価値が違うのか?ということはずっと考えていた。今はとりあえず、どちらも同じ価値だと思うことにしている(自分が虚しくならないためにも)。なぜなら、大企業でも農家でも、ビジネスや経営の定石はそれほど変わらないからだ。うちが取り組んでいることのレベルが低いと思わないし、硬直した会社より面白いこともできる。アイデアや工夫、知恵の価値はだいたい一緒、とここでは言いたい。

聖書の中に、主人から5タラント(通貨)を預けられてもう5タラントを儲けた人と、2タラントを預けられて2タラントを儲けた人が、同じように主人に喜んでもらった、という話がある。それと同じだと思って自分の仕事を労っている。他に1タラントの人の話もあるけど、ややこしいので割愛。

4.自分のお給料を作るためのTips

基本は単年契約

“Do or Die”ではないけど、その年1年の成果に毎年こだわるのがいいと思う。こちらも、正社員だから解雇されにくいといって、何年も成果が出なくても、安心して椅子に座っているような姿勢ではうまくいかない。雇う側が、成果に対して昇給がなくても(少なくても)残ってもらえると安心してしまえば、従業員の生活はいつまでも改善されない。なので、お互いに適度なリスク配分を保つことで、緊張感が出て、自然と成果にこだわるようになる。1年でも赤字が出たら僕は立ち去ってもいいし、立ち去るべきだと思う。

昇給を主張する

自動的に昇給するような人事考課制度や賃金テーブルがあるわけではないので、自分で上申する。こんなところに、自分のお給料を納得するまで勝手に上げてくれる親切な人なんていない。雇用主と従業員の利益が競合するのは原理上不可避なので、お互い納得できるところまで膝を突き合わせるのがいいです。

現金にこだわる

「経験が積めるから、、、」「実績になるから、、、」「雰囲気がいいから、、、」「休みちゃんととれるから、、、」「ストックオプション、、、」などなど、お給金以外の付加価値も色々あるでしょう。それらもありがたいんだけど、とにかく現金にこだわる。現金にこだわらないと、お互い言い訳が発生して、数字に責任感が出ない。雰囲気では家族を養えないので仕方がない!><貨幣価値が循環することでしか、経済に貢献できないし。

生活レベルを下げる

これはベンチャー企業のバーンレートみたいなもので、収入の少ないうちは出費が少なければ少ないほど生存期間は長くなる。一度上がったものを下げるのは心理的にはとても辛いけど、こういう機会でもないと見直せないので、結果的には良かった。準備した自己資金が十分だったり、共働きなら、この負担は軽減されます(それでも下げたほうがいいと思う)。この辺、ライフプランが結婚当初とは大きく変わっているので、妻の理解ありきという点では感謝しかないです。

とにかく勉強する

一つひとつは浅くてもいいので、どれだけ多くのスキルをもっているかが大切だと思う。チーム組んで分業できるほどのリソースはないから基本は自己完結。まず、前職で学んだことは何でも全て役に立つ。だから一度は勤め人を経験してからチャレンジしたほうがいい。そのうち必要なスキルは刻々と変わり、だいたい増えていくので、合わせて一生懸命に勉強する。社内に教育リソースなんてないだろうから、独学でいいし、専門家になるほど突き詰めなくていい。続けていればそのうち、なんちゃってフルスタックおじさんみたいになる。勉強だけ妥協しなかったら人生なんとかなる、というのは僕の唯一の人生訓。

多少の恥を捨てる

今の仕事はユニークで、人に知ってもらう多少の価値があると思っている。阿部梨園の梨も、知って食べてもらう価値があると思っている。一方、SNSにちょっとしつこいくらい投稿をしてまで喧伝するのは、なりふり構わなくて恥ずかしいとも感じている。それでも宣伝し続けるのは、親戚でも知り合いでも、共感して梨を買ってくれる人がいれば、このプロジェクトを続けられる可能性が高くなるから。この辺でカッコつけ続けたい人は、最初からチャレンジしないほうがいいと思う。去年買ってくれた皆さんのおかげで、2年目もこんな楽しい仕事に取り組めている。本当にありがとうございます、これからもよろしくお願いします。

5.まとめ

書くのに疲れた、おしまい!色々努力して自分のお給料を生み出すのは大変だけど、不可能じゃないし楽しいよ!っていう話でした。

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